「泣き童子」宮部みゆき(文藝春秋)
「おそろし」(角川書店)、「あんじゅう」(中央公論新社)に続く三島屋変調百物語の三冊目です。連作短編形式で話が進んでいきます。ですから、主人公も周りの人々も一話ごとに成長していきます。
「おそろし」は五話、「あんじゅう」は四話、今回の「泣き童子」は六足す四話ですから、まだ十九話しか話が進んでません。「千一夜物語」(アラビアンナイト)の千一話とまではいかなくとも頑張って百話にして欲しいものです。
さて、シリーズも三冊目になると主人公のおちかも三島屋の人々も生き生きと動いています。さすがに宮部みゆきです、安心して読むことができます。宮部みゆきは現代ものならば超能力、時代物ならば怪異ものの話が多いです。時として度を過ごす場合がありますが、時代物の場合はあまり気にはなりません。簡単なあらすじは次の通りです。 続きを読む